Androidの上に立つスマホOSって? なんとノキアの栄華をよみがえらせる新プラットフォームが着々始動!

071a

スマートフォンといえば、AndroidかiPhoneのどちらかしか思いつかない…すっかりそんな時代が訪れ、しかも世界では、Android陣営に占めるサムスンのGALAXYシリーズの強さが圧倒的な勢いを誇ってもいるようですが、この二強の栄華はいつまで続いていくのでしょうか? とりわけ移り変わりの速いテクノロジーの世界では、昨日の王者も今日は敗者、いまは無名でも明日はヒーローという展開が往々にして起こり得るのですから〜

と思いきや、意外とアップルならびにサムスンのツートップ独占体制は、今後も長く続いていくのかもしれませんね。例えば、上のグラフ画像は、英調査会社のJuniper Researchが発表したリサーチレポート「Smartphone Futures: Differentiation Strategies & Emerging Opportunities 2013-2018」に基づく、これから5年後の2018年の世界市場におけるスマートフォンのメーカー別シェアを示したデータなのですが、あまり現状と大きく変わることなく、サムスンとアップルは依然としてトップシェアを握ると予想されていますよ! しかも、両社のスマートフォン販売台数は、2012年中の6億7700万台から伸びに伸びて、2018年中には2社で8億台を売上げる規模へと成長するとも考えられていますね。

やはり新アプリやサービスの開発側としても、当面はAndroidとiOSという二大プラットフォームに焦点を定めておいて誤りはないということも意味しているのでしょう。しかしながら、同調査で興味深い別のポイントは、グラフ内でグリーンカラーにて示されている、その他のメーカーのスマートフォンに関する部分です。なんと今後5年で新たなスマートフォンOSが次々と登場し、特に新興国市場においては、AndroidでもiOSでもWindows PhoneでもBlackBerryでもない、まったく新しいスマホOSが8台に1台以上の割合で、ジワジワと普及し始めているだろうとの展望が明らかにされているのです!!!

071b

もちろん新たなスマートフォンOSで最も期待の星は、なにかと話題のHTML5ベースになるとの見方が大勢を占めてはいるのですが、実は先ほど紹介したJuniper Researchの調査報告書において、これから着実に普及する可能性を秘めた新OSとして、フィンランドのJollaが開発する「Sailfish OS」が名指しで挙げられていますよ!

北欧の小国のフィンランドを代表する企業としては、あの一時は携帯電話業界で揺るがぬトップを維持し続けたノキア(Nokia)の存在が大きいでしょう。iPhoneならびにAndroid陣営のスマートフォンが台頭してきたことを受けて、Windows Phoneに舵を切っていたノキアの没落は決定的なものとなってしまいましたけど、そもそもノキアはオリジナルOSでのスマートフォン開発だって進めていたのでは?

そうなのです。実はノキアは、Windows Phoneでマイクロソフト陣営に加わるまでは、知る人ぞ知る「MeeGo OS」なるLinuxベースのモバイルOSの開発に注力しており、その搭載機としては「Nokia N9」という幻の名機もリリースされた経緯があります。また、MeeGo OSの前身には、あのインテルが推奨していた「Moblin」なる、これまたスマートフォンOSの未来を担うとの期待までかけられていたプラットフォームが統合されており、実はMeeGo OSが有していた技術資産には、かけがえのない価値があると評価する人が後を絶ちません。

折りしも、北米から誕生したiPhoneやAndroidというプラットフォームに、アジア勢のサムスン人気が重なり、一気にノキアの栄華は色あせてしまいましたが、そんな欧州のIT業界の雄であったノキアの復活を願う声の高まりと、MeeGo OSの完全なる打ち切りという失望が、逆に高い技術力を誇るエンジニア集団のハートに火をつけて、フィンランドからJollaというベンチャーが形成されるに至り、MeeGo OSの改良を進めつつ、より進化したスマートフォンOSとなったSailfish OSを武器に、このところ革新的な製品発表に欠けるとも評されがちな停滞するモバイル業界への殴り込みが誓われたのでした…

071c

新しいモバイルOSの発表は活気にあふれたものでも、結局はコンセプトの話ばかりで、実際に製品を目にすることはなく終わってしまう〜という残念な展開も珍しくはないスマートフォン業界ではありますが、なななんと、すでにJollaはSailfish OSを搭載する初のリリースモデルを正式にアナウンス! 世界136か国からの熱いオーダーが殺到し、今夏には初回出荷分が売り切れてしまうという注目度の高さを記録しましたよ。

いまやハイエンドのiPhoneやGALAXYシリーズに勝てるスマートフォンなどそうないため、数ある中国メーカーなどは低価格なローエンドモデルで勝負を挑んできているという構図ではあるものの、驚くべきことにJollaがリリースしてきたSailfish OSの初搭載モデルは、洒落たバックカバーを着せ替えた瞬間、スクリーン上のテーマデザインまでカラーチェンジする、まるでポップでカラフルな「iPhone 5c」さえも顔負けな仕上がりになっています。4.5インチディスプレイは丈夫で頑丈な「ゴリラガラス2」に覆われ、最新のデュアルコアプロセッサー、8メガピクセルカメラ、4G LTE通信対応などなど、なかなか申し分ない性能を備えてきていますよね。

071d いくらOSとハードウェアがそろってはいても、やはりスマートフォン成功のカギを握っているのはアプリの充実度のはず〜との課題を、なかなかクリアーできずにいるWindows PhoneやBlackBerryなどの悩みをよそにして、Sailfish OSで最大の驚きは、あろうことかAndroidアプリでも、ほぼすべてそのまま使えてしまうという互換性の高さなのです!

えっ、結局はSailfish OSって、まるであのAndroidをカスタマイズしただけな中国の「楽OS」みたいなレベルの完成度でしかないの? そんな疑問まで湧き上がってきそうですが、これまでの説明の通り、Sailfish OSは、Androidとは明らかに一線を画した開発路線で仕上げられてきたプラットフォームに相違ありません。

しかしながら、さすがはノキア出身の優れたエンジニア集団の手になるものだけあって、例えば、アプリマーケットとして実装された「Yandex.Store」には、すでに17のカテゴリーで8万5000種類を超える豊富なアプリが並んでいます。最初からSailfish OS向けに用意されたアプリもあるにはありますが、まだ未知の世界でしかない同プラットフォームへの対応アプリなど、数えるに足る規模でしかありません。ところが、Myriad Group AGのランタイムの活用という移植方法によって、膨大なAndroidアプリをSailfish OSで走らせられるようになっており、Facebook、Twitter、Foursquare、Skype、Viber、WeChat、Angry Birdsなどの有名どころも、すべてSailfish OSに対応済みという充実ぶりですよ…

おまけに開発者にとっても喜ばしいアプリ内課金システムなどの決済方式もYandex.Storeでは標準サポートされており、すでに世界37か国語に対応していることも発表されています。年内には欧州各国からSailfish OSを搭載するスタイリッシュなスマートフォンユーザーが増えていく展開となり、もしかすると、来年はアジアでもジワジワと普及していったりするのかもしれませんよね。

まだまだ海のものとも山のものともつかない斬新なスマートフォンOSながら、とかくクオリティーの観点から見くびられがちなチャイナメーカーではなく、れっきとした開発力に裏打ちされたアプローチによって、Androidのメリットを十分に活かしつつ、なおかつオリジナリティーあふれる独自性を打ち出してくることができれば、意外なるブレイクだってあるやもしれませんよ。ベースの技術資産を侮れないノキアが発祥の地とだけあって、2014年のトレンドウォッチに入れておいて間違いはないのでは?

Jolla
http://jolla.com/