知られざる4G LTEの秘密…やって来るスピードバブルの影に枯渇コンテンツの罠も!

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 日本ではNTTドコモがXi(クロッシィ)の名称で先行スタートさせて、着々と普及の流れに至っている高速な4G LTE通信ですが、いまや世界でも明らかにモバイル通信環境の波は3Gから4Gへと移り変わってきているようですね。そして、この変化を受けて、アプリやサービスの開発需要にも異なる潮流が押し寄せようとしていますよ〜

 例えば、上のチャートデータは、英調査会社のInforma Telecoms & Mediaが発表した「4G Strategy: Successful Operators Show How LTE Can Improve KPIs」リサーチレポートに基づくものですが、昨年半ばの時点で、すでに全世界の4G高速通信ユーザー数は1億2600万人を突破してしまっています。まだ目新しく高額な通信サービスに過ぎない…などと思いきや、いつの間にか日本の総人口をも上回る4Gユーザーが世の中には存在しているわけですね。

 なお、Informa Telecoms & Mediaのポール・ランバート上級アナリストによれば、2013年中には世界の4Gユーザー数は1億8860万人に達し、その後も年を追うごとに増加の一途をたどって、ついに5年後の2018年には13億もの4Gユーザーが! チャート内にも示されていますが、世界で最も早く4G LTEサービスの導入を果たしたのは、スウェーデンのTeliaSoneraで、2009年12月にサービス提供を開始しています。とはいえ、現時点で最もユーザー数が多いのは米国で、早くも2013年半ばの時点で6250万人に達していますよ。一方、さすがはスマホ先進国の筆頭を行く韓国においては、すでに全人口の47.17%という非常に高い割合で4Gの普及が進んでいますね。

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 ちなみに一言で第4世代を意味する4Gという総称が使われてはいても、実は多彩なサービスが存在しています。最も有名なものはWiMAXという高速通信サービスで、これと対照を成す形にて、日本国内では携帯電話キャリアが提供する4G LTEサービスが競い合って伸びてきました。でも、いずれも厳密には3.9Gと呼ぶべき、どちらかと言えば、3Gと4Gの中間技術に位置づけられる定義で、結局のところは国際電気通信連合(ITU)の指導により、WiMAXならびに4G LTEへ「4G」の名称を与えることで一件落着したという経緯もあります。

 いずれにせよ、これまでの携帯電話の3G通信のスピードを何倍も上回る高速通信環境が整う4Gへの期待度は決して低くはないはず〜と結論づけてしまうと危うい現実もあるようなのです。例えば、上のグラフ画像では、米調査会社のPiper Jaffrayが発表した、米国内の3000人に上る携帯電話ユーザーを対象とするリサーチデータが示されていますが、4Gならびに4G LTEなど、各携帯電話キャリアの間で呼称に揺れがあるものの、そもそも新規に契約したいと思うのか? その問いに対する正直な回答が寄せられていますけど、実に半数近いユーザーが、別に4Gの高速通信の必要性を全く感じていない(I don’t need 4G)と答えているんですよね!

 先に紹介したInforma Telecoms & Mediaの調査報告書には、3Gから4Gへの移行が果たされると、動画コンテンツを中心にユーザーのデータ通信使用量がアップし、その結果として、各携帯電話キャリアも増収を見込めるとのデータが発表されてはいましたが、4Gでなければならないとユーザーを唸らせられるほどのキラーコンテンツとなる新アプリやサービスの開発需要は予想外に大きいのかもしれません。ここに着目することで、優れたビジネスチャンスを掴むことができるとも考えられるでしょうね…

075c なお、Informa Telecoms & Mediaが発表したデータには、現在の世界の3G携帯電話ユーザー数の内訳も示されています。なんといまや中国の2013年第2四半期(4〜6月期)における3Gユーザー数は3億2550万人を突破! 今春に米国を抜いて世界最大のスマートフォン王国の座に君臨した後も、引き続き中国の携帯電話業界が目ざましい発展を遂げていっている様子がうかがえますよね。

 とはいえ、この中国の数字で恐るべきポイントは、いまだに3Gユーザーは全国民の4分の1以下の割合でしかないという点です。もはや日本国内では化石化した技術となる2GのGSMユーザー数が、まだまだ現在でも国内携帯電話ユーザーの大多数を占めており、2Gから3Gへの移行すら十分には完了していないというのが現状でもあるわけですね〜

 やはりまだ4Gへのコンテンツ対応など、世界的には早すぎるのではないか? 思わず、そう考えたくもなるかもしれませんが、とにかく技術進歩のスピードアップが著しくなっていることを忘れてはなりません。例えば、米調査会社のiSuppliの最新発表によれば、中国で2014年に4G LTE通信網のインフラ整備に費やされる投資額は63億ドルと見込まれており、その後も2015年に60億ドル、2016年に51億ドル、2017年に59億ドルというように、一気に世界最大の4Gインフラを整えるべく、着々と準備が進んでいることが明らかになっていますよ。

 iSuppliの予測値では、これから4年で、中国最大の携帯電話キャリアとなる中国移動(China Mobile)はTD-LTE方式の4G基地局を60万か所、また国内第2位の中国連合通信(China Unicom)はLTE FDD方式の4G基地局を30万か所、国内第3位の中国電信(China Telecom)はLTE TDD/FDD方式の4G基地局を40万か所と、驚くべきスピードで4G通信網の整備を進めてくると発表されています。膨大な市場の中国をも視野に入れつつ、4Gならではなハイスピードコンテンツで勝機を掴めるか…その答えを出せる時間は、意外にも急速に尽きようとしているのかもしれませんね。

iSuppli
http://www.isuppli.com/

Piper Jaffray
https://www.piperjaffray.com/

Informa Telecoms & Media
http://www.informatandm.com/