ロングバッテリーより望まれるスマホの形とは? 驚きの次世代デュアルスクリーンに感じた意外なる未来…

072aスマートフォンやタブレットを活用して最も不満に感じることは、やはりバッテリーの持ちの悪さではないでしょうか。朝はフル充電で家を出たはずなのに、もう夕方にはバッテリーが底を尽き始め、とても途中でチャージすることなしには1日電池が持たない…という状況に悩んでいるユーザーも少なくないのでは?

 ところが、興味深いことに、スマートフォンメーカーのHTCが独自に実施した顧客満足度調査によれば、もしも究極の二者択一として、バッテリー容量は小さくとも超薄型なスリムデザインと、バッテリー容量は巨大でもボディーサイズが厚みを増してしまうデザインとでは、どちらのモデルを選びたいかとの問いに対して、なんと圧倒的に大差をつけて超スリムなスマホが好まれる結果になったのでした! たとえこまめに充電することなく使える大容量バッテリーのスマートフォンであったとしても、ボディーサイズがダサく膨らんでしまうようならば、格好悪いし持ち歩きにくいから要らない〜との消費者心理は非常に正直なところなのかもしれませんよね。

 このリサーチデータを受けて、HTCでは、人気モデルのバッテリー強化版に位置づけられるメガシリーズの生産中止を決定した経緯もあり、ただ本体サイズが大きくなってもバッテリーの持ちを向上させさえすれば売れるのか? ここに否との答えが突きつけられる世相が反映されてもいるようですよ。

072b ボディーサイズを犠牲にしてしまうことなく、バッテリーの持ちが抜群によいモデルを開発する! この課題を乗り越えられる時、新たなヒットモデルの方程式が完成するような予感ですが、多くのメーカーが電力管理やソフトウェア使用効率の調整というアプローチでバッテリー寿命の向上を図る中で、いま別の注目技術は電子ペーパーなるE-Inkを搭載するデバイスではないでしょうか。

 すでにE-Inkを採用した「Onyxphone」Androidスマートフォンなども発表されてきてはいますが、目に優しくバッテリー消費ゼロの情報表示をフレキシブルに実現する電子ペーパーとスマホやタブレットの融合には、大いに期待をかける人も少なくないようです。ただ、やはりE-Inkが苦手とする動画を駆使したゲームやマルチメディアへの対応という課題は残されており、ここがE-Inkスマホの普及への大きな障壁になると考えられてはいますが…

072c

 なななんと、この課題を一気に解決するデュアルスクリーン搭載モデル「YotaPhone」の登場で、大きな革命が業界に起こる可能性が出てきていますよ! いまスマートフォン市場の成長性という意味でも注目されているロシアから誕生してきたYotaPhoneは、重量146グラム、厚さも9mmサイズながら、4.3インチで1280p対応のHDカラー液晶ディスプレイを前面に、同じく4.3インチのE-Inkディスプレイを背面にダブル搭載してしまうハイスペックなAndroid 4.2スマートフォンに仕上がっています。

「私は現在市場に出回るスマートフォンが好きになれません。バッテリー消費という明らかに大きな問題を抱えているからです。そして、その最大の原因は、全消費電力の7割をも占める液晶ディスプレイに起因しています。これを解決するには電子ペーパーが必要で、スマートフォン機能の一部を電子ペーパーへ移すことで解消されます」と、YotaPhoneを開発するYota Devicesのウラディスラフ・マルティノフCEOは語っており、E-InkとLCDディスプレイのデュアル搭載こそが、これからのスマートフォン市場の未来を担うとの信念のもとに、自信満々でYotaPhoneを送り出してきましたよ。

072d

 他のどのスマートフォンやタブレットにもない、まさに世界初のE-Inkと通常のLCDディスプレイの2画面搭載モデルを送り出すことになるYotaPhoneは、そのデュアルスクリーンの連携ぶりも秀逸です。いちいち電源を入れなくても、常にスタンバイ状態で情報を表示したままキープできるE-Inkの特性を活かしつつ、ほとんどバッテリーを消費することのないまま、最新のメールやチャットメッセージを表示したり、FacebookやTwitterの更新を通知したり、天気予報や株価のリアルタイムチェックを実現したり〜こうやって考えると、E-Inkで可能なユーザーシーンは非常に多岐に及んでいることが分かりますよね。

 やはりカラー画面でこそ見ておきたい情報もありますが、いつまでもカラー液晶で見なければならない内容のものばかりでもないでしょう。例えば、いざ目的地へのルートを地図アプリで検索し終わったら、そのまま地図の表示画面を背面のE-Inkのディスプレイへと移すことで、移動中はLCDディスプレイのバックライトをオンにすることなく情報チェックが可能な仕様が備わっていますよ。あるいは、その逆も真なりで、目に優しいE-Ink画面で読書中に調べたい言葉が出てきた途端、そのままページを移動せずにスマートフォンを裏返すと、クリックした言葉の自動検索がスタートし、再びチェックが終わればスマートフォンを裏返して読書に戻るという、デュアルディスプレイならではな便利な利用シーンの数々が紹介されています!

 E-Inkディスプレイのフル活用で、液晶画面はデュアルに増えたはずなのに、それでいてバッテリー寿命の向上を果たしてきたYotaPhone。すでにYota Devicesでは、タッチ対応のE-Inkディスプレイ向けのアプリ充実を願ってAPIを公開してきていますし、YotaPhoneにジャストフィットする専用アプリやサービスなどが新たに続々と登場してくる可能性まで開けてきたり…と、なかなか楽しみな展開まで期待されていますね。

072e

 こうした斬新なモデルにありがちな落とし穴として、ただ注目を集めただけで終わってしまい、なかなか実機が発売されるまでには至らないという進展が多々あるものですが、すでにYotaPhoneは、シンガポールのHi-PというODMメーカーとの提携で量産体制に入っており、4G LTE通信にも対応して今月からロシアで先行発売中! かつては携帯電話メーカーの雄だったフィンランドのノキアが抱えていた優秀な開発者集団を傘下に収め、米国にも拠点を置くグローバルなスケールで、これからロシアより世界の各国へターゲット市場を拡大しつつ、YotaPhoneのリリースラッシュを計画しているというYota Devicesは、まさに2014年の台風の目になってきたりするのかもしれませんよね。

 なお、すでに年内にロシア以外にもドイツ、フランス、スペイン、オーストリアの欧州4か国でYotaPhoneの発売がスタートしてきているほか、来年初めには他にも20か国ほどで販売の予定があるそうです。欧州での発売価格は499ユーロと、日本円にして7万円近いハイスペックスマートフォンの位置づけですけど、どこまで反響を呼べるかが非常に楽しみなところですね〜

 ちなみにYotaPhoneは、今年1月にラスベガスで開かれたCES 2013において、その革新的なアイデアが大注目されて「CES 2013 Award」に選出されたほか、その後もバルセロナで開かれたMobile World Congress 2013、ベルリンで開かれたIFA 2013など、世界のビッグエレクトロニクスショーで軒並み高い注目度を誇っています。極めつけは、今夏にカンヌで開かれたCannes Lions International Festival of Creativityにおいて、イノベーション部門にて「Golden Lion Award」を獲得。まさに正式発売の前から、新たな次世代を担うスマートフォンとして期待十分の評価を集めたと評されるでしょう。アジアでの早期展開も約束されていることから、E-Inkへの対応は今後の開発者にとっての重要なステップになっていくと見ておいて間違いはないかもしれませんよ。

Yota Devices
http://yotaphone.com/