Androidを超えられる? 中国へオリジナルスマホOSで攻め込むメーカーが続々…

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 iPhoneの新モデル発売に沸き、そのリリース時には長蛇の行列を成して、最新のハードウェアを求めるユーザーが! そんな光景が毎年のように見られてはいるものの、まったくこれまでにない製品カテゴリーを目にすることになるとも評されたスマートフォンやタブレットの登場初期と比較して、さすがに最近はスマホの普及率も上がって落ち着きすら見せ始めており、同時に先進諸国ではハードウェアの売上が停滞期を迎えようとしてもいるみたいですね…

 興味深いことに、上のグラフ画像は、英調査会社のVisionMobileが発表した「The State of Mobile Development in Q3 2013」レポートに基づく、スマートフォンならびにタブレット業界に占めるハードウェアとアプリの売上シェアの推移を示したデータなのですが、8割以上が最新モデルのハードウェア売上で占められていた昨年までの状況とは変化が生じてきており、今後はハードウェアの売上が一段落するにつれて、アプリの売上が同業界に与えるインパクトも右肩上がりに強まってくるとの予測が出されていますよ。

 例えば、2012年の世界のアプリ売上高は530億ドル規模と考えられていますが、早くも2016年には、その3倍近い1430億ドル規模まで急上昇すると分析されています。スマホやタブレット向けアプリ関連の売上だけで、日本円にして年間15兆円に迫る額が飛び交う世の中になってくるとは感慨深いものがありますね! 上のグラフデータでは、オレンジカラーがハードウェアの売上を、グリーンカラーがアプリの売上を示していますけど、今後数年でアプリマーケット市場は、とうとう世界全体で新モデルのスマートフォンやタブレットが販売される額の半分に迫る規模へと伸びていくことが明らかにされて、ますます対応アプリやサービスの開発者にとってはチャンスが広がっていきそうですよね。一夜にして優に数千万円を稼いでしまうアプリのリリースラッシュが続いたりすれば、ますますホットに盛り上がっていきそうです〜

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 そもそも最近のハードウェア分野での新モデル発売に伴う売上の失速は、もう基本的にどのような新しいモデルが出ようとも、機能面では大差なく、ただ搭載されるCPUやメモリ(RAM)やカメラ解像度などのスペックが改良された…という程度で、対応するアプリやサービスさえ使えば、どのスマートフォンやタブレットを使っていても、できることには大した違いなどないというのが正直な指摘なのではないでしょうか? よほどの新しいモバイルOSでも出てこない限りは〜

 ところが、いま世界でも中国という巨大な市場にだけは、単にハードウェアスペックのみならず、基本的なOSのソフトウェア分野からオリジナリティあふれる新モデルを投入してはユーザー獲得を目指す元気な企業が相次いでいますよ。すでに「阿里雲OS」搭載のスマートフォン製品群に目を向けましたけど、なんとパソコンメーカー最大手のレノボ(聯想)からも「楽OS」なるオリジナルOSを搭載したモデルが着実に中国本土で普及中!

064c 楽OSを搭載するレノボのスマートフォンは、その第1弾が2010年5月に登場して以来、なかなか中国では高級感も漂い出る豪華な装丁の「楽Phone」シリーズとして続々と販売! ちなみにレノボの楊元慶CEOは、発売当時に楽Phoneの明確なライバルとして、名指しでアップルの「iPhone」を挙げてきており、中国のスマートフォン業界で目ざましいまでの存在感を示すことが目標に掲げられましたよ〜

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 その意気込みは、ついに同じ楽OSを搭載したタブレット「楽Pad」の登場で、まさにiPhoneのみならず「iPad」をもそろえるアップルの戦略へと真っ向から挑む形勢を見せるに至っており、世界最大のパソコンメーカーのレノボから、独自にスマートフォンとタブレットがそろう意義は決して過小評価できないとの指摘まで飛び出すことに…

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 なお、楽OSのベースになっているのはAndroid OSであり、ディスプレイのベゼルまでタッチ操作に使えたり、オリジナルホーム画面のインターフェースが用意されていたりと、独自にレノボによって改良が加えられた形にはなっていますが、基本的にAndroidスマートフォンの使用感と変わらない快適さを実感することができます。

 とはいえ、楽OSが脅威となるのは、すでにiPhoneでもJailbreak(ジェイルブレイク)して用いる脱獄ユーザーこそが標準的という中国のお国柄なだけあって、まったくAndroidでは普通なグーグルの「Playストア」アプリマーケットや各種アプリ・サービスが徹底して排除されている点にあります!

 楽OSの標準的なホーム画面に並ぶのは、メールもマップもアドレス帳もメッセージングツールも、すべて中国ユーザーにカスタマイズされた独自アプリばかり〜アプリストアまで「楽応用商店」なるオリジナルのアプリマーケットにアクセスする設定になっており、Google Playなどは影も形もありませんよ。もしも、こんなOSのスマートフォンユーザーばかりが中国で増えていったとしたら、そもそもが巨大なユーザーベースの国なだけに、楽応用商店へのアプリ提供を選択肢として考えざるを得ませんよね。

 なお、一部には楽OSが、実は中国政府の国務院から全面的にバックアップを受けた開発事業との報道も伝えられており、米国から上陸してくるiOSやAndroidではなく、ユーザー検閲などの特殊な事情を抱える中国ならではなモバイルプラットフォームの確立にレノボが手を貸したとの見方まで強まっているそうです。

064f なお、こうした中国ユーザーに特化したスマートフォンOSの開発に賛否両論あるのは承知の上で、現実的には、やはり膨大なユーザーへのリーチを避けて通ることはできず、各メーカーが競ってオリジナルOSのリリースを模索し始めているようですね。例えば、左の写真は、間もなくHTCから発表が噂されている、まるでHTCのユーザーインターフェース(UI)として有名な「HTC Sense」をWindows Phoneと融合させたかのようなAndroidベースの新OSのリーク画像で、かつてはAndroidスマホの雄だったHTCも、このところの低迷ぶりからの脱却に中国市場を本格的に目指す姿勢を強化する形ですよ!

 さすがにオリジナルのスマホOSの開発までとなると、ビッグメーカーでもない限りは簡単には手が出せない大事業でもありますけど、アイデアあふれる新アプリやサービスの開発に成功したならば、こうした流れの波に乗ってみることも、ぜひビジネス戦略の視野に入れつつ、よりグローバルな市場を目指していきたいところですよね。

VisionMobile
http://www.visionmobile.com/