ワールドカップだけではない! スマホアプリも売上絶好調のブラジル台頭でBRICsパワーが増強…

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 変動の激しい世界経済なので、いまや「BRICs」という新興の成長大国さえ目新しいキーワードではなく、すっかり過去のものとなろうとしています。早くも世界は次なる成長市場の「ネクスト11」に目を向けるなど、ブラジル(Brazil)、ロシア(Russia)、インド(India)、中国(China)の4か国の経済力は、もはや新興発展途上国と呼ぶにはふさわしくないかのようなパワーを発揮する時代となってきました…

 では、注目されるスマートフォンやタブレットのアプリ市場という観点からはどうなのでしょうか? とりわけ、2014年はFIFAワールドカップ(W杯)の本大会開催地として世界から脚光を浴びるブラジルですが、アプリマーケットとしての魅力はどれほどのものなのでしょう?

 興味深いことに、上のチャート画像は、米調査会社のApp Annieが発表した「Q3 2013: BRIC Countries Emerging as App Store Superpowers」リサーチレポートに基づく、2013年第3四半期(7〜9月期)における世界のGoogle Playのダウンロードおよび売上ランキングを示したものなのですが、Androidスマートフォンならびにタブレット向けアプリのダウンロードユーザー数(左欄)においては、すっかりトップ5に日本の名前などはなく、今後の急成長が大いに期待されるインドに続いて、ブラジルが堂々のランクアップを果たしてきています!

 実はいまブラジルは、世界人口で第5位に入る大国の中でも、貧困層を脱して中産階級に属する国民の割合が急激に高まっており、その市場としての魅力が非常に注目を集めているんですよね。ブラジル国民の生活レベルのアップは、そのままフィーチャーフォンからスマートフォンへの買い替え率の上昇とも直結しており、新たにスマートフォンユーザーとなったブラジル国内のユーザーが、ゲームアプリと音楽コンテンツのダウンロード購入に走り、ちょっとしたスマホアプリのバブル状態を生み出していますよ〜

 なお、ワールドカップ前のインフラ整備に加えて、新たにブラジルの通信企業は125億ドルもの携帯電話ネットワーク整備費を年間拠出したことでも知られており、いま急ピッチで全国に3Gおよび4Gの通信網が敷設されていっています。今後もブラジルではスマホユーザー数が飛躍的に伸びていくことでしょうから、この南米ユーザー層を狙う新ヒットアプリやサービスの開発に成功すれば、一躍有名になるアメリカンドリームだって夢ではないでしょうね。

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 なお、いくらアプリダウンロード件数が多くても、無料アプリのユーザーばかり増えては、基本的にアプリ内課金でしか売上を期待できないことになってしまいます。しかしながら、上のグラフ画像は、オランダの調査会社のDistimoが発表した2013年8月の世界のApp StoreおよびGoogle Playでの有料アプリの売上高のトップ10ランキングを示したものですが、ここにもBRICsの一角を占め、このところスマートフォンユーザーの増加が著しいロシアがランクインしてきています。

 Distimoの発表によれば、スマートフォンならびにタブレット向けアプリの総売上高という集計結果では、ほぼこの上位10か国の顔ぶれに変動が見られなくなってきているそうです。さすがはスマホ超大国としての歴史を誇る米国が不動のトップをキープしているほか、日本と韓国も有料アプリの市場としては非常に有望なトップ3を形成しています。そういう意味では、アプリダウンロードユーザー数で目立つBRICsのブラジルとインドの2国は、これからどのように有料アプリの売上を伸ばしていけるかが目下の市場課題となってもいるようですね…

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 一方、再び先ほどのApp Annieが発表した調査報告書に戻り、今度は2013年第3四半期における世界のApp Storeのダウンロードおよび売上ランキングに目を向けてみましょう。ついにスマートフォンユーザー数で他に並ぶもののない5億という大台に乗った中国は、無料アプリのダウンロードユーザー数(左欄)ではもちろんながら、有料アプリの売上高(右欄)でもメキメキと順位を上げ続けており、ついに初めて日米トップに迫る世界3位の売上を誇る規模にまで達してきたことが判明していますね!

 古くから中国では、せいぜい無料アプリしか売れないだろうとのレッテルが貼られてきましたけど、ここまで有料アプリさえ売れるようになってきたことが明らかなのであれば、すでに知られる中国ならではのアプローチなども十二分に活用しつつ、本気でビッグマーケットの中国を狙える新アプリやサービスの開発に力を入れるべき時を迎えたともいえるでしょう〜

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 なお、中国を有料アプリで攻める場合には、大いに注意しなければならないポイントもあります。今度はDistimoが発表した2013年8月の世界のApp StoreおよびGoogle Playでの有料アプリの売上高トップ10に並ぶ国のうちでも、どのアプリマーケットの売上高が大きなシェアを示しているのかの国別内訳を示した上のグラフ画像をご覧ください。大半の国々で、iPhone(オレンジカラー)やiPad(レッドカラー)に向けたApp Storeでの有料アプリの売上がGoogle Play(ブルーカラー)の売上を上回る結果なのに対して、Androidスマホの国産メーカーの圧倒的なシェアが目立つ韓国では、やはりアプリの売上もGoogle Playが断トツのシェア確保…などなど、なかなか国ごとに特徴ある内訳になっていますよね。とにかく世界でも珍しいiPhone人気に駆られた日本国内で、App StoreとGoogle Playの売上高が拮抗するようになったというのも時代の流れを表わしていますね。

 ところが、この中で明らかに異色な存在となっているのが中国…なんとGoogle Playにおける有料アプリの売上高はゼロなのです! いまだに中国本土においては、Google Playで有料コンテンツの配信がスタートしていないというのもその大きな原因ですけど、なによりもそもそもGoogle Playなど使われていないとの現実が如実に反映された結果でもあるでしょう。あれほど脱獄(ジェイルブレイク)ユーザーが多い中国において、正規のApp Storeでの売上確保を果たしてきたiOSプラットフォームとは対照的に、ほとんどGoogle Playという正規のAndroidアプリマーケットが利用されない中国の巨大なAndroidユーザーへのアプローチを、いかにして成功させていくのか? これこそがBRICs攻略における当面の最大の課題かもしれませんよね。

App Annie
http://www.appannie.com/

Distimo
http://www.distimo.com/