とうとう中東にまで中華パッドパワー! アラブでパソコンが売れない最大要因に…

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 Windows 8のリリースから1年…その大幅なアップデートとなるWindows 8.1まで登場してはきましたが、一気に売行きが伸びてパソコンの復権へ〜という期待されたような展開には、なかなか残念ながら至っていないようです。むしろ、着実に時代の流れはパソコンよりもタブレットへと大多数のユーザーが移っていく展開が加速していることを否定できません。

 例えば、上のグラフ画像は、米調査会社のIDCが発表している、世界のPCおよびタブレット出荷台数の推移を示した「Worldwide Quarterly Tablet Tracker」レポートに基づくデータなのですが、パソコンがタブレットに敗れるXデーの第1弾は、まずタブレット年間出荷台数がノートPC出荷台数を上回る2013年と予測されています! この勢いは止まることなく、ついに2015年には、デスクトップPCとノートPCを合わせた世界のPC総出荷台数をタブレット出荷台数が上回ってしまうと見られていますね。

067b ところで、タブレット人気にパソコン販売が押されてしまっているのは世界的な潮流ではあるものの、いまこの逆転現象が最も顕著に表われてきているのは、実は中東アラブ諸国という実態をご存知でしたか! 地政学的に「MEA」と分類される中東およびアフリカ地域は、いまだパソコンの普及率さえ世界的には非常に低く、まだまだこれからパソコンの販売が伸びると期待されている市場であるにもかかわらず、新たなIDCの調査レポートにて、2013年第2四半期(4〜6月期)には、初めて同エリアでもタブレット出荷台数がノートPC出荷台数を突破してしまったことが明らかにされていますよ。

 MEAにおける同四半期のタブレット出荷台数は、総合計こそ279万台と、決して膨大な数字ではないものの、なんと前年同期比で208%増もの驚異的な伸び率を見せていますね。その大半が、オイルマネーなどで潤うアラビア海沿岸諸国のユーザーに販売されていっているのは紛れもない事実なのですが…

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 MEAの中でもアラブ地域で顕著な傾向は、アップルのiPad人気の急激な低迷にあります! 上のグラフ画像は、2012年第2四半期と2013年第2四半期で比較した、同地域におけるタブレットのメーカーシェアの推移を示したデータですけど、この1年間でiPadのシェアは半分以下にまで落ち込んでしまっています。去年から今年にかけては、新たにアップルとしては低価格なiPad miniという7インチサイズの製品ラインアップまでそろえたにもかかわらず、逆にシェアを奪われる失態に終わっており、アップルは中東でのシェア確保に深刻な危機感すら覚え始めているとのことですよ〜

 そして、代わって台頭してきたのが、やはり圧倒的なAndroidタブレットの陣営力で、実にMEAタブレット市場の7割以上を席巻する勢いを見せていますね。ちなみにAndroidタブレットのシェアは、あのGALAXY Noteシリーズなどでオリジナリティーをアピールするサムスンもさることながら、中華Padや中華タブレットと呼ばれつつ、とにかく低価格で国外でも存在感を高めてきた中国メーカーのノンブランドタブレットに、レノボ(Lenovo)やASUSやAcerというブランドモデルを加えた激しい競争が繰り広げられているのが現状であり、まだまだ駆け出しの中東タブレットユーザーのハートをガッチリと掴めるのはどこなのか? 現時点では雌雄を決するまでには至っていないところが、これから同地域のユーザーを目指したいアプリやサービスの開発者にも大いに興味をそそられるポイントではないでしょうか。

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 なお、今後もパソコン市場の復活という未来は望み難い要因を示す別のデータが、IDCから発表されています。上のグラフ画像では、2013年現在の世界で販売されているタブレットおよびパソコンの平均販売価格(ASP)が示されていますが、現時点のパソコンの平均販売価格は、日本円にして6万円台となる635ドルにまで下がってきています。10万円パソコンさえ安い部類に入った昔に比べると、随分とパソコンの値段も下がってきたものですよね…

 しかしながら、タブレットの平均販売価格は、すでにいまでも381ドルと、4万円でお釣りが来てしまうモデルが大半になっているのです! IDCによれば、タブレットの値段は日に日に下がる傾向にあり、ほぼ底値設定に来ているパソコンを尻目に、まだまだ安いタブレットが続々とパソコン市場を駆逐して普及していきそうですよね。

 今回の調査結果を受けて、IDCのMEA担当のビクトリア・メンデス主席アナリストは「市場ではパソコンとタブレットが互いの需要シェアを奪い合う傾向が強まり、これまでパソコンベンダーとして君臨してきたメーカーでさえ、タブレットへの注力を余儀なくされている」とコメントしており、もはや世の中の流れは、レノボやAcerといった世界的に有名なパソコンメーカーでさえ、タブレットの新モデルで勝負せざるを得ないところまで来ていることが明らかになっています。

 パソコンとは共存できない地位にまでタブレットが台頭! この時代の変化の波に乗るならば、タブレットにパソコンのような役割を求めて購入を進める新たなユーザー層に訴求するアプリやサービス開発の重要性が高まっていることも認識しやすいでしょう。まるでパソコンのような利用スタイルで攻めるモデルや、そもそもパソコンのような作業環境を可能にするスペックの実現などなど、ますますをもってタブレットの進化も多様性に富む展開となってきそうですよ〜

IDC
http://www.idc.com/